2020年……。
世界はエースバーンの炎に包まれた！
ナットレイは枯れ、
ドリュウズは裂け、
カビゴンが死滅したように見えた。
だが、マタドガスは死滅していなかった！！
マタドガス ～令和救世主伝説～
◆はじめに
発売から数か月経ち、夢特性リベロのエースバーンが解禁された。
元々タワーでは存在が確認されており、その性能から解禁されればゲッコウガの悪夢再来ともささやかれていた彼が、ついにレートに牙を剥いたのだ。
その恐ろしさは解禁されたとたん、圏外だった使用率がトップになったことからうかがえる。
それまでランキング上位だったナットレイやカビゴンは姿を消し、ドリュウズも大幅に順位を落とす大打撃。乱世の時代の幕開けであった。
そんな乱世の時代を生き抜くには、エースバーン対策を入念に行う必要がある。
そこで、私がエースバーン対策として提案したいのが
『ガラルマタドガス』である。
◆ガラルマタドガスとは
赤緑に登場したマタドガスというポケモンの、ガラルの姿である。
ステータスそのものに変化はないが、フェアリータイプが追加されており、夢特性も変更されている。
種族値・特性は以下の通り。
ＨＰ：65
攻撃：90
防御：120
特攻：85
特防：70
素早：60
特性：ふゆう/かがくへんかガス/ミストメーカー（夢）
高い防御が特徴的だが、それ以外は赤緑ポケモン特有の良く言えばバランスの取れた、悪く言えばパッとしないステータスだ。
こんなガラルマタドガスが、なぜエースバーンに強いのか。以下に順を追って説明していく。
◆なぜエースバーンが強いの？
そもそもなぜエースバーンが強いのか。
その強さの源は夢特性の存在にある。
リベロは使用する技のタイプに自らを変化させる特性だ。わかる人には変幻自在と言えば通じるだろう。
その技を実際に使用する前にそのタイプになるので、攻撃技であればタイプ一致補正が乗る。普通、与ダメージのバフは命の珠やこだわりハチマキなど何かを代償にしないといけないか、上昇幅が低いか、そのどちらかであることが多い。
そんな中で無条件で与ダメージを1.5倍できるというのは破格だ。
さらに、事前にタイプを変更することでタイプ相性を変化させることができる。これは炎タイプの状態から飛び跳ねるなどを使って自身を飛行タイプにすることで地面タイプの技を無効化するといった行動ができるため、守備方面にも優れている。
このように、リベロは攻守ともに利点がある優秀な特性であると言える。
また、エースバーンはその強みを引き出す技範囲の広さ、および覚える技の威力も魅力的だ。
専用技の火炎ボール、高火力広範囲の跳び膝蹴り、ダイジェットによる素早さ上昇が見込める飛び跳ねる、不利な相手から逃げることができるとんぼがえり、先制技の不意打ち。
また、ダストシュートや思念の頭突き、アイアンヘッドなど持っていると案外頼れる技も習得できる。
そして、その技や特性を生かしきるだけのステータスも持っている。
攻撃と素早さがどちらも110を超えており、高速アタッカーとしてほしいものはキッチリ持っている。特に攻撃は116あり、かつて大暴れしたゲッコウガの特攻107と比べても高い。サブウェポンの火力が低めだったゲッコウガと比べると、実際の与ダメージの差は結構大きい。
耐久面こそ不安があるものの、ダイマックスを切ればある程度ごまかせるし、キョダイマックスもあるので、ダイマックスを切っても問題ない強さを兼ね備えている。
②技火力が全体的に高いし、範囲も広い
③ステータスがアタッカー向け。ダイマックスエースも可能。
以上がエースバーンの強さと言えるだろう。
◆ガラルマタドガスがエースバーンに強いわけ
では、なぜガラルマタドガスがエースバーンに強いのか。
①ガラルマタドガスは物理耐久が高め
ガラルマタドガスは、上でステータスを見てもらったように防御が120もある。
これはサイドンやセキタンザンと同値で、物理耐久にものをいわして起点づくりをするカバルドンより高い（実際はHP種族値の関係で、それらよりは物理耐久は低い）。
これは物理型が主流のエースバーンに対して有利に働く。
②特性化学変化ガスによりリベロを無効化できる
マタドガスには専用特性のかがくへんかガスがある。
どういった特性かというと、場にいる限り全員の特性を無効化するという強力なものだ。ミミッキュの化けの皮や、ギルガルドのキングシールドなど無効化できないものも存在するが、エースバーンのリベロは無効化できる。
これが何を意味するかというと、エースバーンは自在にタイプを変更することができなくなるということだ。
エースバーンの強さの源は前述のとおり、タイプを変更することで与ダメージにバフをかけつつ、耐性を変更させ攻撃を半減ないし無効化することが可能という点だ。
そのタイプ変更ができない、どころか相手の攻撃の後にこちらがマタドガスを出せば能動的にタイプをロックできる。
先ほどエースバーンの攻撃が高めという話をしたが、それはあくまで、任意ですべての攻撃技をタイプ一致で放てる場合の話。そうでないなら所詮はシザリガーやオトスパス以下にすぎない（まあそれでも高い方だけど）。
こうなれば持ち前の防御により、エースバーンの攻撃は安定して受けられる。
③技範囲の絶妙な広さ
実はマタドガスは特殊技に限れば範囲が地味に広いという特長がある。
ざっとあげると……
・ヘドロばくだん（毒）
・ワンダースチーム（フェアリー）
・熱風、大文字、火炎放射（炎）
・10万ボルト、雷（電気）
・シャドーボール（ゴースト）
・サイケ光線（エスパー）
これらの技範囲は、先ほど述べた『相手のタイプを任意でロックできる』という点で輝く。
エースバーンの技で使用率が高いのは、火炎ボール・跳び膝蹴り・飛び跳ねる・不意打ち。これらはいずれも2020年7月上旬時点で70％を超えている。
これらはよく使われる技であるし、特に跳び膝蹴り・飛び跳ねるはダイマックス技時に自身のステータスをあげることができるため、相手にとどめを刺すときに敵を倒しつつステータスを上昇させる目的で使われがちだ。
そこで、ガラルマタドガスの出番である。
相手がそれらの技を使ってこちらのポケモンを倒した時、死に出しでガラルマタドガスを召喚する。すると相手のエースバーンは格闘、あるいは飛行タイプに固定される。
そうなってしまえば、ガラルマタドガスによっては格闘にはワンダースチーム、飛行には10万ボルトがそれぞれ有効ダメージソースとなるのだ。
エースバーンの耐久方面はお世辞にも高いとは言えないので、弱点さえつければガラルマタドガスの低めな特攻でも大ダメージ、あるいは瀕死まで狙える。
逆に、ガラルマタドガスが苦手なアイアンヘッドや思念の頭突きは、エースバーンに採用されていることはあるものの、どちらも30％も採用されていない。
仮に弱点を突かれても、事前に他のタイプをロックしてしまえばタイプ一致補正は乗らないので、ガラルマタドガスの物理耐久ならじゅうぶんに耐えうる。
◆終わりに
以上が、ガラルマタドガスがエースバーンに強い理由である。
エースバーンは確かに強い。だが、それは無敵の強さではない。必ず付け入るスキがあるはずだ。
このガラルマタドガス紹介記事が、そのきっかけになれれば幸いである。
問題は、ガラルマタドガスがエースバーンに強いと広まっていないことによる相手の舐めプによってこの記事の強さが成り立っているため、この記事が変に拡散されてしまった場合通用しなくなることだが……。
まあ、ゴリランダーやミミッキュやドラパルトあたりも結構強いから別にいいか！
◆おまけ 自分の愛用している型紹介
